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2024年3月

2024年3月11日 (月)

第49回公演 こころ、心、ココロ 日本のゲイシーンをめぐる100年と少しの物語

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座・高円寺 春の劇場29 日本劇作家協会プログラム 
劇団フライングステージ第49回公演

こころ、心、ココロ 日本のゲイシーンをめぐる100年と少しの物語

第一部 名も無き時代(1914年~1970年)
第二部 名付けること、名付けられること(1970年~2023年)

フライングステージは、ゲイの劇団として、LGBTQ、主にゲイを題材にした作品を作り続けています。LGBTという言葉が公的に使われたのは2006年だそうです。それより前に現在LGBTQと呼ばれるような人々はいなかったかというとそうではないと思うのです。名付けられる前からずっと存在していました。ただ、名前がないと記録には残らないわけで。
「こころ、心、ココロ」では、夏目漱石が小説「こころ」を新聞に連載していた1914年から現在までの日本のゲイシーンを描きます。ゲイという言葉がない時代からの「ゲイシーン」というのはおかしいかもしれませんが、とりあえずということで。
第一部では大正から昭和、第二部では昭和から現代まで、それぞれの時代を生きたゲイたち、ともすればいないことにされてしまう人たちの様々な「こころ」をつむいでいこうと思います。記録には残っていない、でも、たしかに存在していたであろう人々のことを、未来へつなげる記憶として。(関根信一)


□ 作・演出
関根信一

□ 出演
石関 準(フライングステージ)
岸本啓孝(フライングステージ)
小林祐真(十七戦地)
中嶌 聡
野口聡人
福正大輔(プロジェクト・ドロブラ)
モイラ
山西真帆(劇団桃唄309)
若林 正(さんらん/大沢事務所)
関根信一(フライングステージ)

□ 日程
2024年3月6日(水)- 10日(日)
6日(水)19:00A
7日(木)14:00A★◎ / 19:00B
8日(金)14:00B★◎ / 19:00A
9日(土)14:00A★◎ / 19:00B
10日(日)14:00B
A:第一部 名も無き時代(1914年~1970年)
B:第二部 名付けること、名付けられること(1970年~2023年)
*★は託児サービスがある回です。
*◎はアフタートークがある回です。

・3月7日(木)14:00 A:第一部 平良愛香(日本キリスト教団川和教会牧師/ゲイ男性)
・3月8日(金)14:00 B:第二部 松岡宗嗣(ライター/一般財団法人fair代表理事)
・3月9日(土)14:00 A:第一部 砂川秀樹(文化人類学者)

*受付開始、開場は開演の30分前です。

携帯からの予約はこちらをクリック!



□ 会場
座・高円寺1 https://za-koenji.jp/
杉並区高円寺北2-1-2
JR中央線「高円寺」駅 北口を出て徒歩5分
※土日の中央線快速は高円寺駅に停車しませんのでご注意ください。
※駐車場はございませんので、お越しの際は公共交通機関をご利用ください。

□ スタッフ
照明:伊藤 馨
音響:樋口亜弓
衣裳:石関 準
舞台監督:吉田雅人
フライヤーイラスト:ぢるぢる
フライヤーデザイン:石原 燃
制作:渡辺智也、三枝 黎、水月アキラ
協力:M・M・P、OVERTONE、大沢事務所、さんらん、十七戦地、プロジェクト・ドロブラ、劇団桃唄309、ユニークポイント

主催:劇団フライングステージ
提携:NPO法人劇場創造ネットワーク/座・高円寺

□ チケット料金
≪全自由席≫
一般:3,500円 学生:2,500円 高校生以下:無料(未就学児を含む)
ペアチケット 6,500円 2作品目(A+B)/リピート(A+A、B+B)2,500円
*1作品目をご覧になったあと、別プログラムまたは同じプログラムを上記価格でご覧いただけます。ご予約の際、2作品目またはリピートとお伝え下さい。当日は、ご覧になった1作品目のチケットをお持ちいただくようお願いいたします。
*ご予約の際に2公演分のご予約が可能です。2作品または同じ作品を2回ご覧いただく場合のチケット代は計6,000円となります。
*税込 前売・当日同一価格
*ペアチケット(2名)・学生チケットは劇団のみ取り扱いです。
*学生チケットは、当日、学生証の提示をお願いいたします(小中学生は不要です)。
*当日券は開場と同時に発売いたします。
*前月号までは「全指定席」とご案内していましたが、「全自由席」に変更となりました。

□ チケット取り扱い
発売日:1月27日(土)10:00から

○座・高円寺チケットボックス(月曜定休)
TEL 03-3223-7300(10:00-18:00)
窓口(10:00-19:00)
WEB https://za-koenji.jp/(無休24時間受付)
*座・高円寺の劇場回数券「なみちけ」もご利用いただけます。

○劇団フライングステージ
【WEB予約】https://ticket.corich.jp/apply/299141/
【Mail予約】yoyaku@flyingstage.com
【TEL/FAX予約】03-6265-9429
*日時、チケット種類、枚数、連絡先電話番号をお知らせください。
*不在の場合は留守電に「お名前、連絡先番号」をお残しください。
 折り返しのご連絡が翌日以降となる場合もございます。ご了承ください。

◎以下のサービスは劇場で承ります。
お申込・お問い合わせは座・高円寺チケットボックス(TEL:03-3223-7300 10:00-18:00 月曜定休)まで。
・車いすスペースをご利用の方は、前日までにお申し込みください(定員あり)。
・障がい者手帳をお持ちの方は、座・高円寺チケットボックス(窓口・電話)での予約に限り1割引きになります。
・託児サービス(定員あり・対象年齢1歳から未就学児・1週間前までに要予約)料金:1,000円。

□ ご来館のみなさまへ
・新型コロナウイルス感染防止のため、ご来場の皆さまには自主的な防疫へのご協力をお願いしております。また、体調に不安を感じる方、直近に感染者との濃厚接触が確認される方は、ご来館をお控えくださいますようお願いします。
・作中、歴史的背景から、現代では差別的とされるセリフがあること、また、客席通路を演技エリアとする演出があることをご了承ください。

※本公演は、杉並区とパートナーシップ協定を結ぶ日本劇作家協会が、会員応募作品より座・高円寺に推薦する「日本劇作家協会プログラム」です。

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《アフタートーク ゲスト プロフィール》

平良愛香(たいらあいか):日本キリスト教団川和教会牧師/ゲイ男性
沖縄生まれ。男性同性愛者であることをカミングアウトして牧師となる。現在、日本キリスト教団川和教会牧師(横浜市都筑区)、農村伝道神学校校長、平和を実現するキリスト者ネット事務局代表ほか。著書「あなたが気づかないだけで神様もゲイもいつもあなたのそばにいる」(2017年学研プラス。電子書籍で入手可)、監修「LGBTとキリスト教 20人のストーリー」(2022年日本基督教団出版局)ほか。好きなものは、童謡、ネコ、炭水化物、ガラスの仮面。
【3月7日(木)14:00 A:第一部終演後】

松岡宗嗣(まつおかそうし):ライター/一般社団法人fair代表理事
愛知県名古屋市生まれ。政策や法制度を中心とした性的マイノリティに関する情報を発信する一般社団法人fair代表理事。ゲイであることをオープンにしながら、Yahoo!ニュースや現代ビジネス、HuffPost、GQ等で多様なジェンダー・セクシュアリティに関する記事を執筆。教育機関や企業、自治体等での研修・講演実績多数。著書に『あいつゲイだって - アウティングはなぜ問題なのか?』(柏書房)、共著『LGBTとハラスメント』(集英社新書)など。
【3月8日(金)14:00 B:第二部終演後】

砂川秀樹(すながわひでき):文化人類学者/博士(学術)
ゲイ・コミュニティ意識の形成などをテーマに調査、研究をおこなってきた。また、1990年からHIV/AIDSに関する市民活動に参加し、2000年代は東京レズビアン&ゲイ・パレード/東京プライドパレードを牽引、2013-16年には沖縄初のプライドイベント「ピンクドット沖縄」を実現したゲイ・アクティビストでもある。著書に『カミングアウト』(朝日新書)、『新宿二丁目の文化人類学』(太郎次郎社エディタス)、編著に『カミングアウト・レターズ』(太郎次郎社エディタス)など。
【3月9日(土)14:00 A:第一部終演後】

 

<登場人物と配役>

第一部 名も無き時代(1914年~1970年)

第1話 漱石の手紙(1914年)
学生1   野口聡人
学生2   岸本啓孝
書生    小林祐真
女中    山西真帆

第2話 震災のあとで(1923年)
正一    福正大輔
勇     石関 準
父親    若林 正
母親    モイラ
級友1   中嶌 聡
級友2   岸本啓孝

第3話 再会(1948年)
和夫    野口聡人
次郎    中嶌 聡
男娼1   石関 準
男娼2   モイラ
はるよ   山西真帆
川口    若林 正
浮浪者   関根信一

第4話 本物と偽物(1958年)
茂     モイラ
英雄    福正大輔
浮浪者   関根信一

第5話 骨の行方(1964年)
長男    若林 正
その妻   石関 準
次男    中嶌 聡
三男    小林祐真
長男の息子 野口聡人

第6話 別れる理由(1970年)
妻     山西真帆
夫     若林 正
秘書    福正大輔
息子    岸本啓孝

エピローグ
石関 準、岸本啓孝、小林祐真、中嶌 聡、野口聡人、福正大輔、モイラ、山西真帆、若林 正、関根信一

 

第二部 名付けること、名付けられること(1970年~2023年)

プロローグ
石関 準、岸本啓孝、小林祐真、中嶌 聡、野口聡人、福正大輔、モイラ、山西真帆、若林 正、関根信一

第1話 手の記憶(1970年)
語り手   石関 準

第2話 文通欄の出会い(1971年)
語り手   野口聡人
男1    岸本啓孝
男2    若林 正
男3    中嶌 聡
男4    福正大輔
男5    小林祐真

第3話 ゲイという言葉(1979年)
語り手   関根信一
母     モイラ

第4話 エイズとネコ(1989年)
語り手   小林祐真
医師    若林 正
妹     山西真帆
同僚1   モイラ
同僚2   岸本啓孝

第5話 ゲイの劇団(1992年)
石関 準、岸本啓孝、小林祐真、中嶌 聡、野口聡人、福正大輔、モイラ、山西真帆、若林 正、関根信一

第6話 平田さんのこと(1994年)
語り手   福正大輔
平田さん  岸本啓孝
友人    中嶌 聡

第7話 新木場にて(2000年)
男1    中嶌 聡
男2    野口聡人

第8話 はじめてのパレード(2010年)
語り手   福正大輔
母1    石関 準
母2    関根信一

第9話 リーディング「ピンク」「ハッピーウェディング」
「ピンク」
語り手   若林 正
けんと   野口聡人
おかあさん 石関 準
おばあちゃん モイラ
あいり   山西真帆
おとうさん 小林祐真
犬の子   関根信一
猫の子   中嶌 聡
男の子   岸本啓孝
ゆうま   福正大輔

「ハッピーウェディング」
語り手   若林 正
けんと   野口聡人
ひろかず  岸本啓孝
おかあさん 山西真帆
おとうさん 若林 正
オスカー  石関 準
ハーヴェイ 中嶌 聡
フレディ  小林祐真
アラン   福正大輔
ゆきお   モイラ
男     関根信一

第10話 演じること、演じられること(2023年)
小町谷健斗 野口聡人
三上宏和  岸本啓孝
池内真紀  モイラ
斉木彩香  山西真帆

 

<ご案内DM文面より>

 新年早々悲しい出来事が続く2024年の始まりですが、お元気でおすごしでしょうか。
 1年3ヶ月ぶりの劇団フライングステージ公演のご案内をお送りします。
 今回は、2021年に続き座・高円寺1での上演です。新作「こころ、心、ココロ」は、副題にあるとおり、100年と少しの日本のゲイたちの物語です。フライングステージは1992年の旗揚げからまもなく32年、100年の三分の一近くが過ぎたことに驚いています。三分の一の知っている時間と三分の二の知らない時間、それぞれの時代に生きた人々、時代の中心にはいなくとも生きていた人々を描きます。第一部と第二部、それぞれ独立したお話ですが、ぜひ二作ともをご覧いただけたらと思います(2作目の割引チケットをご利用ください!)。チラシの裏面にあるキーワードはそのまま登場するものもありますし、時代を象徴するイメージとしているものもあります。日本のゲイたち100年の物語というのは、学術書以外では初めての取り組みではないかと思います。真面目になりすぎず、かといって笑いのネタにするのでもなく、それぞれの時代を丁寧に描いていきたいと思います。ご期待ください。
 今回、感染症対策を考慮し、全席自由席とさせていただきました。座・高円寺の客席はたっぷりありますので、余裕を持ってご来場いただいてだいじょうぶです。また、高校生以下を無料としています。お知り合いの若い方がいらしたら、ぜひ観劇をおすすめいただけたらと思います。
 みなさまのご来場を心よりお待ちしています。

 2024年1月 劇団フライングステージ

 

<当日パンフレット文面より>

「こころ、心、ココロ 日本のゲイシーンをめぐる100年と少しの物語」のためにいろいろな資料を読みました。古書を探したり、Amazonで中古本を購入したり。ネットで知りたいことを検索すると、以前には見つからなかった情報がどんどん出てくるのに驚いています。
こんなふうに調べ物をしたのは、2006年の「ミッシング・ハーフ」の初演と2008年の「新・こころ」の初演以来です。もう20年経っているのですね。わからなかったことを調べた人がこんなにたくさんいるんだということに感謝しています。忘れられていくのではなく、どんどん情報が増えていくことのすばらしさ。
起きたこと=事実は受け止めながら、僕はあくまでもフィクションを、お芝居を書いています。
三島由紀夫が戯曲「鹿鳴館」の自作解題に「明治19年11月3日の鹿鳴館における天長節夜会には、ここに見られるような事件は絶対に起こらなかった。但し、歴史の欠点は、起こったことは書いてあるが、起こらなかったことは書いてないことである。そこにもろもろの小説家、劇作家、詩人など、インチキな手合いのつけ込むスキがあるのだ。」(新潮文庫「鹿鳴館」自作解題より)と書いているのが大好きで、新作を書くときにいつも勇気づけられています。
歴史には全く残っていないけれど、こういう人がきっといたはずだと思えるような、歴史でも歴史の裏側でもない、歴史のちょっと横で生きていたような人たちの物語を書いてみたのが今作です。
第二部のリーディング「ピンク」は、2021年にここ座・高円寺1で「こどものためのフライングステージ『アイタクテとナリタクテ』『お茶と同情』」を上演した際に、リーディング上演した作品です。今回は新作「ハッピーウェディング」と合わせての上演です。
3年前にはまだめずらしかったピンクのランドセルは、今は特に探さなくても見つけられるようになりました。黒か赤しか選択肢がなかった数十年前を考えると、世の中が変わっていく速さにおどろかされます。そして、それがいつしか当たり前になっていく。その当たり前になる前の記憶はさらさらを消えていってしまって、思い出すのがむずかしいものに変わってしまいます。
亡くなった人のことを思い出すとその人の上に花が降るという話をきいたことがあります。存在したかどうかもわからない、もちろんフィクションの中の登場人物を描きながら、彼らの上にどうぞ花が降りますようにと願っています。
今回はコロナ禍から続けていた記録映像の配信を予定していません。第一部、第二部、どちらかをご覧いただいた方、ぜひもう一作品もご覧いただけたらと思います。
両方ごらんいただいて、100年と少しの時間に思いをはせていただけたらとてもうれしいです。
本日はご来場ありがとうございました。
どうぞごゆっくりお楽しみください。

劇団フライングステージ 関根信一

 

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□ お問い合せ
劇団フライングステージ
Mail:stage@flyingstage.com

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